81歳のおもてなし
81歳のおもてなし
20数年ぶりに、憧れのブラシド.ドミンゴさんの歌う姿を拝見し、歌を聴かせていただきました。
きっとドミンゴさんの舞台を拝見するのは最後になるだろう、と思いながら劇場へ向かいました。あの夜から時間は過ぎましたが、心に届いたまろやかな響きとノーブルな表現はとても81歳までの年齢を重ねてこそ得られる精神性が加わり圧倒されました。
今回は、私の大好きな歌姫のアンジェラ・ゲオルギューとの共演ですから、待ち遠しい本番でした。
お二人は、最初から客席のひとり一人に寄り添い、客席のほとんどが私のような高齢者の心の中にある希いを引き出し、私達が一緒に舞台のドミンゴさんの側で伴奏していることを喜んできださっているようでした。
客席の私達は、ドミンゴさんの若い頃からのファンだったので、今夜のドミンゴさんのお姿をしっかり残像で胸に刻みたいと、おそらく全員思っていたはずです。
一曲、一曲に、「思いを形に」していろんなオペラの役柄を歌い演じて下さいました。
客席が何を望んでいるかを察して、それを気遣っての最初のマクベスから闘牛士まで、、、そして、幕が降りても、帰りたがらない客席。
カーテンコールが続いて、続いた一夜の夢でした。