誰かの為の自分
誰かの為の自分
「コッペリア」を上演する前のロビーです。ポーランドの小さな村のお庭をイメージしてデザインをしました。野草に囲まれて、刈り取られた麦の束の側でのお茶の時間はコッペリウスのお気に入りの場所です。
裏話ですが、岩本先生に出演時間よりも早くロビーに出て下さるようにお願いをしました。
即答でOK, のお返事をいただきました。
それから、アッという間に岩本先生と薺藤先生のアイデアが次から次へとわき出てきました。
小道具
人形作りの場面をイメージして首にはメジャーを人形の手を作りたいから、「今から日焼け防止の婦人の手袋を買いにいきます。」と、久留米の町へ飛び出されました。材料を調達して夕食を取りながら、手袋に綿を詰めて出来上がりました。
自分がお役に立つことは何なのか?
いつも、フジタバレエの親戚の叔父さんみたいな岩本先生です。
そして 「妻の尚美とのやり取りはどうでしょうか?」
素晴らしい、コッペリアの幕開けが待っていました。
昼の部と夜の部の間の誰もいない舞台の上の「藤田瑠理子」です。
何を考えているのでしょう。
動き出しました。
コッペリアの部屋に
コッペリアの娘に
語りかけています
そして、きっと藤田瑠理子先生は「何のために踊るの?」
答えが見つかったのでしょう。
「誰かの為の藤田瑠理子」
お役目があるうちは、心と身体を労りながら全力疾走を続けるのも一つの人生の在り方かなぁ!と、銀色の雨を見ながらひとりぼんやりしています。
やっと ぼんやりできました。